絵金 須留田八幡宮の宵宮

  • Friday, July 27, 2012

絵金。若くして土佐藩家老御用絵師にまで成り上がるも贋作の嫌疑で高知城下所払いの咎人となり、流れ流れて叔母を頼って赤岡町に住まい、猥雑で土俗的な血みどろの芝居絵などを描いた町絵師・弘瀬金蔵、通称『絵金』。
十年程前にテレビ東京「美の巨人たち」や、漫画「ギャラリーフェイク」で広く知られるようになった (と思う) 謎の絵師。

今もその芝居絵屏風を持つ商家が、年に7月にのみ一般公開する夏祭り『絵金祭り』。
毎年7月第三土日に絵金祭りが行われ、その前に行われる『須留田八幡宮の宵宮』は毎年7月14・15日の両日と決まっている。今年はちょうど土日。こんな機会もないだろうと行ってきました。
絵金祭りは商店街主催の祭りでいろいろ賑やかなイベントも行われるようですが、須留田八幡宮の宵宮は昔から伝わる夏祭りの風習で、元々奉納のために赤岡の旦那衆が描かせたのがこの芝居絵屏風で、江戸時代後期より屏風絵を所有する氏子の家の軒下に広げられるようになったそうだ。
日没後、赤岡町商店街の灯りは全て消され、提灯と屏風絵の前にロウソクが一本立てられる。薄明かりの通りからぼんやり浮かぶ芝居絵を眺める。そんな静かな夏祭りの須留田八幡宮の宵宮でした。

路地裏の弁天座では絵金祭りに向けた芝居の練習をやっていた。

商店街の氏子の軒先に開帳される。日暮れとともにはじまる。

とは言え、やたらかしこまった風でもない。

普通のデジタルカメラだと手持ちで撮るのはこの時間ぐらいまでか。

とにかく老齢のアマチュアカメラマンが多い。蚊も多い。フラッシュ禁止。

何かの研究かと思わんばかりに接写する老齢カメラマン。

団子屋の老夫婦が団子を売っていた。脇に鎮座する爺さん。

人のいなくなった隙に近づく。ロウソクに照らされるおぞましき愛憎劇。

芝居絵を解説してくれるおばちゃん、屏風と同化。

灯りの消えた商店街を歩きながら、屏風絵のロウソクの灯りに吸い寄せられていく。

今年は『狐の嫁入り』の行列が復活したそうで、なんとも幸運。

狐にガン見された。(フラッシュ使ってんのオレじゃないよ)



拍子に合わせてゆっくり進んだ行列は赤岡町商店街の端で終わった。

団子屋に団子を買いに戻った。爺さん、動かざること山の如し。

日暮れにはじまり、夜九時ぐらいで静かな夏祭りは終了した。
日暮れ前に見た極彩色調のドギツイ色は、絵のおどろおどろしさと相まって、安っぽい印象だった。しかし、夜になりロウソクの灯りになると、奇想の芝居絵がゆらゆらと映しだされ、静止画だけど静止画ではないような、不思議なリアリティを感じるのでありました。
極彩色というものは灯りの乏しかった時代の色彩方法で、蛍光灯の下にある極彩色に何かしら違和感を感じたりするのですが、こうやって昔の人と同じようなかたちで見れたのは良い体験でした。

© KOJI KOMIYA.