初詣の話

  • Monday, January 11, 2010


今年も、博多の商売繁盛祈願を一手に引き受ける十日恵比須神社へ足を運ぶ。
年明けて、いまだどこの神社にも行かずこれが初詣。初詣の期間に規定があるのかわからないが、とにかく新年は神社に詣でないと!と、古来からの神事のような気分でいるが、実はこの初詣、歴史はそれほど古くはなく明治以降といわれている。
そもそも、大晦日や正月も、今のようなハッピー丸出しになったのも近年のことで、元々は先祖迎えの時季。

和泉式部の一節「なき人の来る夜と聞けど君もなく我が住む宿や霊なしの里」
徒然草の一節「つごもりの夜いとう暗きに松どもともして〜…」

…と、大晦日には魂祭(たままつり:亡くなった人を迎える祭り)という行事があった。正月のお年玉も「お年魂」と柳田國男「先祖の話」で解釈してあり、先祖迎え、先祖供養が大晦日と正月の大事な行事だったのでしょう。いわゆるお盆のようなもの。あまり晴れ晴れしくないなぁ。
現代の感覚で死人が帰ってくるという概念はホラー的な印象を受けるが、この概念は長く日本で大事にされてきているもので、死への恐怖、すなわち死が身近にあったからこそ、そのリアルな恐怖を取り除くために寄り添っていたとも言える。

そんな正月を迎えて初詣でワイワイキャイキャイやってるはずもなく、初詣に関しては鉄道網発展が大きかったというのが通説となっている。神社への参拝客輸送を目的として開業された鉄道会社などもあり、初詣ってのはエコノミカルなイベント…今で言うバレンタインデーのチョコレート的なものだったのかも。
明治政府の推し進めた、神仏分離、廃仏毀釈を経て、国家神道…すなわち宗教ではなく国民統合としての国家の一大イベントとして成立させる必要があったんでしょうね。

1月8日からの4日間で100万人以上が訪れる十日恵比須正月大祭には数百の露店集まってるとか。露店ひしめくなか参拝に並びワクワクするのは、ノスタルジーなのかDNAなのか。りんご飴がキラキラと見える。
さて今年も残す二社に、祐徳稲荷神社(佐賀)、霧島神宮(鹿児島) へと足を運んでみようか。来月までかかりそうだけど。(三社参りは西日本、主に九州に根付く風習です)

© KOJI KOMIYA.