ナナハン

  • Friday, May 30, 2008

ナナハン。
この言葉の語源ともなったバイクがCB750Four。

ライムグリーンのニンジャに乗ってたころ
SAで爺さん(以下爺)に話かけられた。

爺「こりゃ速かごたね」
俺「・・・」
爺「何キロでるとね?」
俺「200km/hぐらいすかね」
爺「そりゃウソや(笑)飛んでくばい」
俺「・・・」
爺「何ccあっとね?」
俺「900ですけど」
爺「はぁ〜ナナハンたい」
俺「・・・(900。。。)」

方々に一人でツーリング行ってたぼくは
こういうトンチンカンなやりとりは何度か経験した。
そう、バイクに疎い年配の方は
いまだに大きなバイクの総称はナナハンだったりする。
それほどまでに社会現象ともなったバイク、CB750Four。


CB750Four。
60年代後半、二気筒車全盛(英車独占)だった北米市場を塗り替え、その高性能と耐久性で名だたる二輪車を一気に過去のものにしたMade in Japan。バイクのみならず、安いが壊れやすいという当時の日本製工業製品全般のイメージを変えたと言っても過言ではない。
当時国内最大排気量だったCB750Fourが国内販売されると「ナナハン」の言葉とともに瞬く間に大流行。しかし、国産四輪を超える高性能に大型バイクの事故が急増。200km/hというスピードを身近にしたバイクは若者を非行に走らせる道具としてバッシングを受け、メーカーによる国内排気量の自主規制、二輪免許改正のきっかけとなったと言われている。
その後、加熱する各メーカーの高性能合戦で、80年代に世界最高速250km/hのふれこみで次の扉を開けたGPZ900R。メーカーは違えどCB750Fourが作った大きな流れの中で誕生した。


バイクをしげしげと見る爺さん。
高熱でキンキンキンと小さな音を発するエンジンに触れようとして
あまりの熱さに手をひっこめる爺さん。

そうこうしてるうちに遠くから爺さんを呼ぶ家族の声。
別れ際に「にいちゃん気をつけて行かやんばい」

たぶん、この爺さんにとってナナハンは夢の乗り物だったのかもしれない。
70年代にナナハンに乗るには歳を取りすぎていたのだろう。
息子夫婦とおぼしき家族の年齢をみると、
若かりし爺さんの責任感がそうさせたんじゃないかと思うのだ。

爺さんを乗せSAを出るファミリーカー。
ほどなくSAを出たオレは、そのファミリーカーに追いつき、
追い越し際にちらっと後部座席を見ると爺さんが手を振った。
少し並走しつつも運転手に嫌な顔されないうちにと、
オレは爺さんに軽く会釈して追い越した。

ミラーでみるみる小さくなってくファミリーカーを見ながら
爺さんとタンデムしてる気分になった。

© KOJI KOMIYA.