思い出パラダイス

  • Tuesday, February 7, 2006

ニューシネマパラダイスを観に行ってきた。初めて観たのは19歳のときで、この15年でかれこれ3〜4回は観てるだろう。映画館でしか観たことがない。
何の映画がいちばん好きか問われればニューシネマパラダイス。

子供の頃よく映画館にあずけられていた。
自営業ってのは両親忙しく、唯一テレビのある居間は祖父母がいて居場所なく、外に出れば自営業の子供ゆえに嫌でも愛想良くふるまわなければならない。おまけに歳の近い弟のめんどうもみなければならないので、友達と気ままに遊ぶこともままならない。そういうときは決まって母の知り合いが受付をやっていた映画館に行った。
もっぱらポルノや古い邦画専門の映画館だったので、映画を観るわけでなく、通路で遊んだり、軽く探検してみたり。。。
決まってコーラがこぼれててベタついていた階段。ほこりだらけの立て看板を分け入った先に、穴だらけのハリボテが鎮座している踊り場。通路に音が反響して頭がゆらゆらする映写室のある階。そして、子供が開けるには力のいるベロア生地のドアの向こうをこっそりのぞいたりして。
たまにゴジラとかヤマトとかちょっと遅れた子供向けの映画を3〜4本立てでやるときは、兄弟二人、朝から弁当を持って、一日中映画館にいた。同じものを何度も何度も観て、いつもいつの間にか寝ていた。

中学のころその映画館は取り壊された。もうその映画館に行くことは全くなかったけれど、映画館の近くを通ると、ふと、ほこりっぽく、すえた匂いが鼻の奥によみがえっていた。

ニューシネマパラダイスの何がそんなにいいのかよくわからないけれど、この映画を観ると、自分の子供の頃を思い出す。別に映画と思い出をダブらせて観てるわけじゃないけど、いい思い出とかそんなんじゃなく、単に思い出すのです。
DVDを買おうかなぁと思いつつ、郷愁にひたるのはやっぱり何年かに一度ぐらいでいい。幸い今のところリバイバル上映あるけれど、なくなったときはこの思い出を忘れる時なのかもしれない。
駅で青年トトを送りだすときの、ノスタルジーに囚われるな、というアルフレードの言葉が胸に響いている。

© KOJI KOMIYA.